FLAsia 2015(シンガポール)レポート

ASEAN最大のフランチャイズ展示会「FLAsia2015(Franchising & Licensing Asia 2015)」を取材しました。

展示会概要・出展状況

開催日 2015年10月29日〜31日 会場 マリーナベイサンズシンガポール EXPO & Convention Centre
主催 Biz Link 入場料 8SGD(事前登録で無料)
出展者数 141 (シンガポール64 / 台湾25 / 日本20 / アメリカ・カナダ9 / EU・イギリス8 / マレーシア6 / 韓国3 / その他6)

出展者カテゴリ

アパレル 5 (3.55%) 教育 12 (8.51%)
展示会・その他団体 13 (9.22%) 外食 53 (37.59%)
車両関連 2 (1.42%) 家具その他小売 6 (4.26%)
美容 2 (1.42%) 健康・フィットネス 3 (2.13%)
飲料 11 (7.80%) マーケティング 3 (2.13%)
クリーニング 4 (2.84%) 出版関連 4 (2.84%)
コンサルティング 5 (3.55%) サプライヤー 4 (2.84%)
コンビニエンスストア 1 (0.71%) その他 15 (10.64%)

会場は3棟のホテル上部にプールがあることで有名なマリーナベイサンズ。

観光客の滞在で賑わうマリーナベイはチャンギ空港からタクシーで30分ほどのところにあります。

ホテルや展望台、ショッピングモールやカジノ、展示会会場が併設され沢山の人で溢れかえっていました。

さて、今回は取材に応じていただいた海外ブランドをいくつかご紹介したいと思います。

NU PASTA (TAIWAN)

NU PASTA台湾から出展の「NU PASTA」、イタリアンレストランです。
今回の出展者の中では珍しく、自社ブース内でプレゼン及び試食(数種類)を行い、沢山の注目を集めていました。
このブランドは初期投資はそこそこかかりますが、ロイヤリティや更新料などは不要で回収目安が1年半と魅力的なモデルでした。
但し実績が台湾のみとなっており、原価は驚きの8%。。。話を聞くと、やはり台湾でしか実現できない原価率とのことでした。
店舗デザインに力を入れているので、日本でも注目を浴びそうな雰囲気ではありましたが、レシピを強化する必要がありそうです。

Franchisor Wei-Ho Taiwan Food Chain Group Interviewee Mr.Jang, Jia-Ming (CEO)
Category Food (Italian) Total Investment 300,000 USD
Store Size More than 125 s.q.m Recruitment Area All of the world
Number of Stores 105 branches in TAIWAN (Original 80%, Franchise 20%) Balance Model Sales cost: 8%, Labor Cost: 20% Other Cost: 44%, Sales Profit: 28%
Contract Period 3 years Payout time 1.5 years
Website http://www.nu-pasta.com.tw/main/index.aspx

HOKI TEA (TAIWAN)

HOKI TEAこちらも台湾から「HOKI TEA」、ドライマンゴーをはじめとしたマンゴーデザートやタピオカドリンクなどを中心とした業態。
「HOKI TEA」は「福氣糖」と書くそうで、お客様を「幸せ」にしたいという意味が込められているそうです。
海外展開は積極的に進めているそうで、台湾6店舗以外には韓国に10店舗、マレーシア・上海・アメリカに1店舗ずつ出店中、ASEANにはタピオカドリンクを取り扱う業態は多数あり、立地に左右される傾向にあります。(*オリジナリティが出しづらい)
20m2とはいわず、キヲスクタイプも展開する必要がありそうです。

Franchisor 福氣塘海華國際事業有限公司 Interviewee Mr.JOE (Representative)
Category Beverage & Sweets Total Investment 40,000 USD (In case of 20 s.q.m)
Store Size 20 – 80 s.q.m Recruitment Area ASEAN Countries
Number of Stores TAIWAN(6), South Korea(10), Malaysia(1), Shang-hi(1), USA(1) (Original 7, Franchise 11) Balance Model Different by each country
Contract Period 5 years Payout time 10 months
Website http://www.hoki-tea.com/

Kent Ridge Education (SINGAPORE)

Kent Ridge Educationシンガポールの教育ビジネス「Kent Ridge Education」こちらは1,000m2の面積を必要としておりますが、様々な教育プログラムを1つずつ導入することが可能な業態です。
日本の学習塾や幼児教室というよりも「学校」をイメージしていただいた方が分かりやすいかもしれません。
多彩な教育プログラムによりターゲット年齢も幅広く、物件を確保できれば異彩を放つ可能性大です。
この手のビジネスの場合、オーナーと実際にサービスを受ける顧客の年齢や立場が異なるため、なかなかその本質や貢献性や有効性を経営者がつかめないのが難しいところです。
ご担当のAnnieさんはとにかく美人でした。

Franchisor Kent Ridge Education Hub Pte. Ltd. Interviewee Ms.Annie Mu (Assistant General Manager)
Category Education Total Investment More than 150,000 USD (Different by Number of Program)
Store Size More than 1,000 s.q.m Recruitment Area All of the world
Number of Stores 30 center in Singapore Balance Model Different by each program
Contract Period Different by each program Payout time Different by each program
Website http://www.kentridgetutors.com/

KAIZEN (INDONESIA)

KAIZENこちらはインドネシアから「KAIZEN」。日本でもおなじみの10分ヘアカットサロンです。
屋号の「KAIZEN」はトヨタ生産方式の基本概念「改善」から名付けたそうです。
会長のJackさん(写真はマネージャー)に取材したのですが、日本にはQBがあるので海外展開は日本以外で(笑)とのこと。
とてもお茶目で一度お話したら加盟したくなるような人柄だったのが印象的でした。
加盟金は通常10,000USDだそうですが、本展示会では3店舗まで無料キャンペーンを実施していました。

Franchisor PT. KAIZEN INDONESIA Interviewee Mr.Jack Wijaya (Chairman)
Category Hair Cut Total Investment 15,000 – 20,000 USD
Store Size More than 25 s.q.m Recruitment Area All of the world except Japan
Number of Stores 50 branches in Indonesia (Original: 5, Franchise: 45) Balance Model Different by each country
Contract Period 10 years Payout time 10 months
Website http://www.kaizen10minute.com/id/

THE CHEESE STAKE SHOP (PHILIPPINES)

THE CHEESE STAKE SHOPフィリピンから出展の「THE CHEESE STAKE SHOP」。本体はアメリカですが、フランチャイズはフィリピンの企業が展開しているのこと。とはいえ、フィリピンでもまだ1店舗ですから、これから加盟促進を強化するのでしょう。
商品はチリ系のサンドイッチ(ホットドッグ)が主体。ピリ辛ですがボリュームもあり食べ応えがありました。
SUBWAYのようなものか?と尋ねたところ、オペレーションは異なるし、野菜でなく肉が主体であるそうです。
手軽さはあるので日本のフードコートにあっても良い印象でした。

Franchisor Cheese Stake Shop Philippines, Inc. Interviewee Ms.May Uy
Category Food (Fast Food) Total Investment 150,000 – 200,000 USD
Store Size 40 – 60 s.q.m Recruitment Area All of the world
Number of Stores USA (30), Philippines (1), Singapore (1) Balance Model Different by each country
Contract Period 5 years Payout time Different by each country
Website http://www.cheesesteakshop.com/index.htm

日本企業の出展について

日本ブース

日本ブースはJETROが取りまとめて20社出展。

国内のフランチャイズ展示会で見かけるようなブランドはほとんどなく新鮮でした。

こだわり麺や香川のうどん業態「こだわり麺や」

香川県でNo.1の集客力を持つうどん専門店。
現在、マレーシアに1店舗フランチャイズ加盟店がありますが、
国内はフランチャイズ展開せずにのれん分けしか実施していないとのこと。
国内での提供品質を落としたくない、というのがその理由だそうです。
今回の出展はマーケティング要素が一番高く、マレーシアで1店舗展開しているものの
他地域の反応を見てみたいということでした。
うどんはASEANのみならずアメリカやヨーロッパでも高い人気を誇っています。今後の展開に注目ですね。
Website: http://www.kodawarimenya.com/

最強濃厚らーめん「ばり馬」最強濃厚らーめん「ばり馬」

広島のウィズリンク社が展開する「ばり馬」。
国内約40店舗の他、シンガポール・インドネシア・マレーシア・香港に展開中。
国内では主に郊外ロードサイドタイプで出店しています。
現在は海外展開に力を入れており、スープはセントラル対応で海外においてもオペレーションの軽減や味の均質化を実現。
国内では「ばり馬」以外にも鳥白湯らーめん「>とりの助」やつけ麺「風雲丸」など業態も多様化しています。

事務局より

ASEAN最大級の展示会という触れ込みと、シンガポールの位置関係から周辺国のフランチャイズ本部の出展が予測されていましたが、

シンガポール64企業とマレーシア6企業程度で、50%以上はその他地域からの出展という、その構成に驚きました。

ちなみに日本最大の日経フランチャイズショーでは、海外出展はわずか7%程度なんです。(タイの展示会でも11%程度。)

少子高齢化でマーケットに魅力が感じられないとも思えますが、実際に海外のフランチャイズ本部に話を聞くと、

ほぼ100%「興味がある」と回答します。

先日のWBSでもアメリカのSHAKE SHACKの日本上陸が特集されていましたが、「まずは日本から」と答えていたのが印象的でした。

また興味深い数値として、今回のFLAsiaではBeverage+Foodの出展者が45.4%を占めています。

直近の日経フランチャイズショーではフード関連が25.4%ですので、他の地域の展示会と比較してみても、

日本のサービス系フランチャイズの種類が実に豊富であることが伺えます。

サービス系の本部には、ASEANでの展開にチャンスがあるといえるのではないでしょうか。