フランチャイズ加盟の流れ

FC加盟して独立する以上、絶対成功したい!

独立起業に成功するには多大な熱意、努力、能力、資金等々が必要とされます。
そんな中において、フランチャイズに加盟して独立する場合には、
なんといっても加盟するフランチャイズ本部の選択眼が重要になる事は間違いないでしょう。

もちろんオールマイティなフランチャイズ本部など存在しませんので、
貴方にとっての優れたフランチャイズ本部、適したフランチャイズ本部とはどういうものなのかを見極める技術を身に付けなければなりません。

フランチャイズ本部選びは各フェーズに分かれます。
これから順に解説していきますので、是非 自家薬籠中の物として下さい。

【フェーズ1】自己分析
  • 経験、適性等を把握
  • 独立の動機を明確にする
  • 資金、家族の協力等、確認
【フェーズ2】フランチャイズの基礎を理解する
  • フランチャイズシステムの理解
  • フランチャイズのメリット・デメリットを把握
  • フランチャイズ参入の可否判断
【フェーズ3】業種別フランチャイズ情報の収集
  • 業種別の動向を把握
  • フランチャイズに関連する最新情報を収集
  • 自分の適性と業種の相性
【フェーズ4】各フランチャイズ事業資料収集
  • 各フランチャイズ事業資料収集の取り寄せ
  • 説明会等への積極参加
  • 収集情報のリスト化
【フェーズ5】フランチャイズ本部の絞込み
  • 作成リストの比較検証
  • 複数本部の比較検討
  • 法定開示文書の請求
  • フランチャイズ本部上位者との面談
【フェーズ6】フランチャイズ加盟契約締結
  • 加盟契約書の雛形チェック
  • 弁護士・税理士への相談
  • 最後はパワーバランス
【フェーズ7】開業に向けて
  • フランチャイズシステムの理解
  • フランチャイズのメリット・デメリットを把握
  • フランチャイズ参入の可否判断
【フェーズ8】祝!開業
  • レセプション(関係者招待)
  • オープン販促計画

フェーズ1 自己分析

フランチャイズ加盟といえども立派な起業であり、その点において一般の起業と比して、手を抜いてよいとか、
楽ができるというような考えは改め、キチンと自己分析を行って臨まなければなりません。

自己分析とは、

・自分の能力や適性、今までのキャリアを総括した上で、なぜフランチャイズに加盟するのか?

・フランチャイズ加盟を通じて自分はどうなりたいのか?

を考える必要があります。

フランチャイズは、加盟する人に特段の事業運営経験がなくとも開業できるパッケージに仕立ててありますが、
開業後に安定的に事業運営を進めていく(経営していく)事ができるかどうかは別の話であり、

・自分が経営者としての能力を備えているか?

・備える為の勉強をしているか?家族の理解、協力は得られるか?

・自己資金はいくら用意できるか?

・借り入れはいくらまでできそうか?

・・・など慎重に吟味していかなければなりません。

フェーズ2 フランチャイズの基礎を理解する

前述したように、フランチャイズ事業は成功を保証するビジネスモデルではありません。

加盟さえすれば本部が手取り足取り全てを面倒見てくれるというものでもありません。
また、加盟金支払いだけでなく、継続的に事業ノウハウや運営指導を受ける対価としてのロイヤリティの支払や、
研修費用、広告協賛金など、フランチャイズ本部によって様々な支出もあります。

これらについて、「聞いていない!」と後でトラブルにならないように、基本的なフランチャイズの仕組みを勉強しておきましょう。
仕組みを勉強する事で、フランチャイズのメリット・デメリットが浮かび上がり、自分に向いている仕組みか否かも判断できるようになるでしょう。

フェーズ3 業種別フランチャイズ情報の収集

フランチャイズの業種を大まかに分けるならば「飲食業」「小売業」「サービス業」の3つに大別する事ができます。

その中で、更に細かい業態に分かれていきます。
業種を選ぶポイントとしては、市場の規模・成長性、事業の収益性、競合の過多、投資金額の多寡、などが上げられます。
もちろん一番重視しなければならないのは、自分の適性と業種の相性です。

市場に関しましては、成長性ある市場が1番というわけではありません。

成長性が高いと新規参入も多く、激しい競争環境にさらされる事もあります。
反対に成熟した市場でも、ちょっとした付加価値を付ける事で新たな市場を開拓できる事もあります。

情報収集を怠らず、総合的に判断してください。
フランチャイズを取り巻く環境は変化していきます。
政治、経済、法律、それらを内包した世論の動向など常にアンテナを伸ばして自分の理解力・洞察力をブラッシュアップして下さい。

(参考)
市場調査の際に、「競合がいない」という結論が出た場合、それには次の2つの仮説が存在します。

1.競合がいない事から、市場を独占でき、一人勝ちの事業ができる。

2.既に他の(複数の)競合がその市場に参入し、

何らかの理由(調査が誤っていた、法的に無理だった等々)で撤退した後である。

独占市場を見つけた!と思ったら2だった、という事は多々あります。
くれぐれも業種選びは慎重に行ってください。

フェーズ4 自己分析

自分に適した業種を絞り込んだ後、実際に各フランチャイズ事業の資料を請求しましょう。

この場合、自分のお気に入りのブランドだけでなく、あえて「どうだろう?」と思うブランド資料も積極的に取り寄せてみる事をお勧めします。

加盟ブランドを決めてから、ではなく興味がある段階から積極的に資料請求、説明会参加してみて下さい。
大切なのは、資料請求だけで終わらせないという事です。実際に店舗見学に行き、説明会に参加し、営業担当者の話を聞いてみてください。

実際、私自身がいろいろなフランチャイズ事業説明会にオブザーバー参加させてもらってますが、
資料には書いてない、貴重なナマの情報を得られた事がなんどもありました。

特に貴重なのは、同席する説明会参加者からの質問事項です。

時に、ハッとさせられる鋭い質問を投げかけられ、フランチャイズ本部体制の不備が垣間見えたり、
逆に、その質問にフランチャイズ担当者がスラスラと返答されるのを見て、安心感に繋がったりしました。

もちろん、資料請求しっぱなし、説明会参加しただけ、では意味がありませんので、それらの情報をリスト化し比較検討する事は必須です。

フェーズ5 フランチャイズ本部の絞込み

リスト化したフランチャイズ本部情報を用いて、様々な点から評価を行いましょう。
単に、このブランドが格好よさそうとか、儲かりそうという感情的判断だけで決めず、
市場動向から店舗オペレーションの巧拙まで、定量的にチェックした情報があると有利です。
絞り込んだフランチャイズ本部には、面談の上「法定開示文書」を提示してもらいましょう。
(加盟契約前の法定開示文書の提示は、フランチャイズ本部の法的義務です)

あわせて出店予定地の立地調査や事業計画の立案、資金調達も自分で行わなければなりません。

フェーズ6 フランチャイズ加盟契約締結

契約締結に臨む前に、必ず加盟契約書の雛形をもらいチェックしましょう。
捺印した後に、「聞いてなかった」「知らなかった」ということにならない為にも、じっくり読み込む必要があります。
自信の無い方は、弁護士・税理士など専門職の方にチェックしてもらうのも良いと思います。

但し、フランチャイズ契約と言うものはどうしてもフランチャイズ本部に有利にできているものです。

「弁護士がこう言ってるんだから、変更しろ!」と言っても全てが聞き入れられるわけではありません。

逆に、「では加盟して頂かなくて結構です。」という返答で終わる事になる可能性もあります。

そのフランチャイズ事業(本部)の魅力と、契約書の内容を天秤にかけ、冷静にご判断下さい。

フェーズ7 開業に向けて

この時点で、貴方はすさまじい忙しさの中に身を置く事になっていると思います。

開業物件の選定が終了し、引き続き物件契約作業や、フランチャイズ本部の開業研修がスタート。
長い所ですと1ヶ月を超える研修期間や、卒業検定をパスしないと開業できない、という厳しいところもあります。

店舗の内外装の打ち合わせや、各種前払い金の手当て、アルバイト従業員の採用活動、店舗オペレーション教育などなど・・・。
覚え切れないくらいのヒトとモノが行き交います。

予想外の事態(手配ミスにより予定していた備品が来ない等々)が発生し、
時として加盟したフランチャイズ本部の能力に疑念を抱くこともあるようです。

フランチャイズ本部担当者と綿密に打ち合わせし、スケジュール管理をしてください。
更に、余裕があるときは事前にスケジュールの再確認などして、突然の事件発生を避ける努力が必要です。

加盟したんだから本部が面倒見てくれる・・・という甘えは捨てて、「仕事を追いかける」というスタンスを心がけましょう。
また、フランチャイズ本部側のミスで問題が発生した場合は、しっかりと追求して責任の所在を明らかにする事が重要です。

ナアナアで済ませていると、営業担当者やスーパーバイザーにナメられてしまいます。
一旦ナメられると、「あの加盟店なら、これくらいやっとけば十分だろう」といった雑な対応になりがちです。

なんでもかんでも文句を言うだけのクレーマー加盟店になれという事ではありませんが、
「アイツを怒らせたら面倒だから、手を抜かずしっかりやろう」と思わせる事が重要なのです。

フェーズ8 祝!開業

おめでとうございます!遂にここまで来ましたね・・・、ではなく「ここからが本当のスタートです」。
方々から贈られてくるお花や祝電に、いつまでもうつつをぬかしているわけにはいきません。

開業当初は、研修では学ばなかったような様々なトラブルに巻き込まれることでしょう。
ですが、それらも時が経つにつれ、貴方のナレッジとなります。地道に対応していきましょう。

オープン施策はフランチャイズ本部が主幹となって取り仕切ることが大勢のようです。
事前の販促や当日のお客様の対応(行列が発生した場合はどうするか等)について、
スーパーバイザーや営業担当者としっかりと事前打ち合わせしましょう。

フランチャイズ加盟独立は立派な起業形態のひとつです。
なにはともあれ、ご自身の健康に気をつけつつ成功を目指して頑張ってください。