商品を消費者に販売する、という行為は、ビジネスの根本にある大前提です。
一見単純明快なことのように聞こえますが、それが企業の経営となると話は別です。
多くのビジネスマンは日々切磋琢磨し、より効率よく販売できる手法を磨き続けているのです。
そして多数の経営方法の中でも、現代において特に注目されているのがフランチャイズです。
これはすでに一般社会に深く浸透した店舗運営方法の一つで、
企業の商号やブランドを使用して外部の人物がビジネスを行うことができる手法です。
フランチャイズというが一般的になってきたのは最近のことですが、
実は長い歴史を持ち、時代の中で磨かれ続けたビジネスモデルなのです。
フランチャイズ・チェーンの起源
時は19世紀にさかのぼり、場所は自由主義経済の国アメリカです。
現在も有名なケンタッキーフライドチキンが、フランチャイズの先駆けと言われています。
当時からアメリカではフランチャイズのシステムは爆発的に広がり、
新時代の経営方法として様々な業界に採用されることになりました。
飲食業界に限らず、自動車販売やガソリンスタンドなどにも及んだそうです。
現在はその市場規模は100兆円を超えるとも言われており、
その誕生から現在にかけて、時代を超えて成熟しているシステムと言えるでしょう。
日本のフランチャイズ・チェーンの起源
日本では、1960年代になってフランチャイズが始まりました。
やはりきっかけとなったのはアメリカのコカ・コーラ社で、
国内企業はそれを見本に追随した形となりました。
洋菓子やレストランといった店舗経営を中心としていた
ダスキンや不二家が国内企業初のフランチャイズ開業として知られています。
日本コカ・コーラはすさまじい勢いでフランチャイズ組織を拡大し、
あっという間に全国1000店を超える規模になりました。
この進撃は、全国各地に同じブランドを一気に店舗拡大するという現代的なビジネスモデルを、
日本に浸透させる大きなきっかけとなったのです。
1969年には第二次資本自由化が施行され、外食産業は完全自由化に向かいます。
それをきっかけに、1970年代入ると多くの外資系企業が日本の市場に乗り出してきました。
代表的なのは、ミスタードーナッツ、マクドナルド、
モスバーガー、ケンタッキーフライドチキンといったおなじみのファーストフード店で、
日本の外食産業を大きく変えていくことになったのです。
そして小売、物流業界の進歩とともに、知る人ぞ知るコンビニエンスストア各社が
フランチャイズシステムを導入することで全国的な成功を収めていくことになりました。
現在のフランチャイズ、フランチャイズの現状
現在は、大手のファーストフード店やコンビニエンスストアに限らず、
各種サービス業に至るまで多くの企業がフランチャイズによって運営されています。
現在では当たり前のように全国各地で同じブランドの同じ店舗にアクセスすることができ、
内容にも遜色のないサービスを受けることができるようになったのも、
このフランチャイズという経営方法が成熟していったことの成果なのです。
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2010年度統計で、1233チェーン、23万4116店、総売上げ21兆3814億円という
規模に成長したフランチャイズ・ビジネス。
その健全性を維持し発展させるための必携書。
フランチャイズ・ビジネスの歴史から機能と役割、そして法令や判例までを整理している。