昨秋アウン=サン=スーチー氏率いるNDLが総選挙で過半数の議席を獲得したことで話題になったミャンマーで第2回となる、「Myanmar International Franchise & SME Expo」が開催された。
依然として外資規制があり、こと貿易に関しては現地企業のみ許可。(物品の輸出入*委託加工業者や製造業の場合、外国企業であっても原材料や加工品の輸出入は可能)
まずはミャンマーがどんな国であるか指標を紹介したい。
*カッコ内”TH”は隣国タイ、”JP”は日本
マーケット比較
*2015年11月調査
人口 | 54,161K (TH: 67,400K / JP: 126,618K) |
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国土面積 | 676,578 km2 (TH: 513,120 km2 / JP: 377,962 km2) |
人口密度 | 80 /km2 (TH: 131 /km2 / JP: 335 /km2) |
GDP (MER) | 56 billion USD (TH: 387 billion USD / JP: 4,210 billion USD) |
GDP (PPP) per Person | 1,740 USD (TH: 9,874 USD / JP: 38,216 USD) |
人口増加率 (2005 – 2015) | 107.9% (TH: 102.8% / JP: 99.7%) |
フランチャイズ市場規模 | Unknown (TH: 5 billion USD / JP: 196 billion USD) |
国内FC本部数 | 不明*国内で加盟店を募集している本部は海外含め50程度 (TH: 370 / JP: 1,321) |
インターネット普及率 | 2.1% (TH: 34.89% / JP: 90.58%) |
携帯電話普及率 | 12.8% (TH: 140.1% / JP: 117.6%) |
Facebook利用率 | Unknown (TH: 38.68% / JP: 17.44%) |
調査ではミャンマー国内で加盟店募集をしているFC本部は約50ということが判明したが、今回の展示会で純粋なミャンマー本部は1社のみで隣国からの出展が大多数であった。
中には既にミャンマーのマスターフランチャイジーとして孫加盟店を募集するケースも見受けらたが、生活インフラも含めまさに「これから」の国という印象。
調査では具体的な数値を得ることはできなかった「Facebook利用率」、現地では相当に普及している印象があり、スマートフォン及びSNSは日ごとに増加している。
所得水準は日本円で30,000-50,000円程度でありながら、スマートフォンの販売価格は日本と同等の価格帯。にもかかわらずヤンゴン市内で見かける人々の手にはスマホがあり情報は十分に得られる環境である。
*ミャンマーではLINEよりもViberの方が圧倒的なシェア。
*写真はヤンゴン市内の様子/大型のKFCは相当な人気とのこと
展示会概要・出展状況
開催日 | 2016年1月22日〜24日 | 会場 | ヤンゴンタマドホール |
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主催 | 981 Creative | 入場料 | 無料 |
出展者数 | フランチャイズ 14 (ミャンマー1 / シンガポール5 / タイ6 / インドネシア1 / インド1 )・フランチャイズ以外39 | ||
FCカテゴリ | フード(カフェ)3 / ミュージックスクール 1 / ヘアーサロン 1 / 不動産 1 / コスメ 1 / 教育 1 / コンサルティング 4 /サプライヤー 2 |
Genius Coffee from Myanmar
今回唯一の純粋なミャンマーFC「Genius Coffee」、店舗タイプだけでなくオリジナルのコーヒ豆や台湾製コーヒーマシンのみなどサプライヤーとしても展開。
加盟金は1,000USD、マシン等の備品が2,500USDで既に店舗物件があれば3,500USDから開業可能。
開業前研修はOJTとOff-JT含め約3週間実施しており、年1回の新商品や機器等のフォローアップがある。
あまり日本ではミャンマーコーヒーに馴染みがないが、風味豊かで酸味が少ないのが特徴。
ミャンマー国内の水質状況はあまり良くなく、ペットボトルの飲料水も再生水が基本。まずは自国内でのブランディングに期待したいところだ。
Franchisor | Aung Nay Lin Htun Co., Ltd. | Interviewee | Mr.Ngwe Tun (Founder / Director) |
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Category | Food (Cafe) | Total Investment | 10,000 USD |
Store Size | More than 75 s.q.m | Recruitment Area | Myanmar, Asean Countries |
Number of Stores | 7 branches in Myanmar (Original 2, Franchise 4) | Balance Model | Sales cost: 25%, Labor Cost: 20% Other Cost: 20%, Sales Profit: 35% |
Contract Period | 1 years | Payout time | 2 years |
Website | http://www.geniuscoffee.info |
ミャンマーフランチャイズへの期待
展示会出展状況からみても、隣国中心であるミャンマーフランチャイズ。
急速な規制緩和と外資の受け入れが近い将来想定されるが、他のASEAN諸国のようにナショナルブランドが溢れる光景が果たして現地住民に受け入れられるものだろうか。
インフラから何から全てが「これから」であるミャンマー、自国の益となるためのバランスを保った開発を期待したい。
自国ブランドの台頭のために、パッケージでなくノウハウに限定した支援をフランチャイズ業界として考える必要がありそうだ。