2014年フランチャイズ業界の動向

フランチャイズ加盟相談者の傾向遷移

~2010年 リーマンショック後、本業不安が襲いフランチャイズ未経験事業者の参入が増加
~2012年 東日本大震災以降、フランチャイズ経験事業者による異業種フランチャイズへの参入が増加。
また比較的低投資の介護/教育系の分野に進む企業が多かったのも特徴
個人ではライフスタイルの見直しによって、フランチャイズ起業を選択する方が増加傾向に。
~2013年 転職活動において、フランチャイズ起業を選択する傾向に。大手企業の倒産など、「安定」というものが非現実的なものに。

リーマンショック、政権交代、東日本大震災、2011年の29年ぶり日経平均最安値(年末ベース)など、
ここ数年で様々な出来事がフランチャイズ業界にも大きく影響していることがうかがえます。

脱サラ、独立開業検討者は減少、転職者数の増加が影響か

2014年のフランチャイズ加盟相談者のうち、独立開業検討者(個人)が前年対比でマイナス0.6%(当社調べ)という結果でした。

2010年以降、1万人ずつ増加していた転職者数は、2014年には前年より約4万人増加の約290万人(総務省調べ)と、飛躍的なものでした。

しかしながら経験・実績重視の転職市場であり、依然として失業率は~90年代後半の水準には達していません。

転職活動におけるフランチャイズ選択という位置付けは、今後も重要なポイントとなると考えられます。

40代、50代のフランチャイズ起業検討者は大幅な増加

独立開業検討者(個人)は全体でマイナス0.6%(当社調べ)であるものの、
40代、50代の独立開業検討者は6.2%プラス(当社調べ)と大幅な増加が目立ちました。

上記年代の相談者は、いずれも希望または早期退職という背景があり、
その結果、6ヶ月以内という短期間での独立希望者は2.1%増加(当社調べ)しています。

人気は無店舗、無在庫型のサービス業に集中

退職金を元手としたフランチャイズ加盟を選択する傾向が強く、
開業資金500万円以下とする相談者は昨年対比で2.9%増加(当社調べ)となりました。

無店舗型且つ無在庫型のサービス業に人気が集中しており、
人気のサービス業はハウスクリーニングやリペアサービス、
生活支援事業など一定の技術ノウハウを得て一人で開業できる、所謂職人的サービスであり、
その身軽さ、低リスクであることが人気の理由であると考えられます。

今後のフランチャイズ

社会的な背景もあり、加盟者自身が理念や事業構想を持ち、フランチャイズを選択する傾向は決して多くありません。

そのため、どんなに優れたフランチャイズシステムであっても、加盟者のマインドによって、提供されるサービスが大きく異なります。

フランチャイズ本部事業者は、サービスノウハウの提供だけでなく、
アントレプレナー型人財の育成、そして加盟者がより大きな成長を遂げるよう、
そのサービスだけでなく、経営全体のアドバイザリー業務が求められます。

フランチャイズが法人の事業多角化の手法の一つであるように、
スモールパッケージ傾向にあるフランチャイズシステムを活用し、
「選択」から「組み合わせ」へと思考転換することで、独立開業検討者の事業を創造する力となるといえます。