あ行
アフィリエイト(あふぃりえいと)
特にインターネットにおける広告形態をさし、ある広告媒体のウェブサイトに設置された広告によってウェブサイトの閲覧者が広告主の商品あるいはサービス等を購入し、 生じた利益に応じて広告媒体に成功報酬を与える一連の形態をさす用語。
アフィリエイトを活用したサイトの代理店募集という形態もある。
粗利益(あらりえき)
ある会計期間における売上高と売上原価との差額のこと。商品や製品そのものの儲けを意味する。
「売上高-売上原価」の計算式により算出される。粗利益を売上高で割ったものを粗利益率(売上総利益率)という。
その計算式は「粗利益÷売上高」である。
当然、粗利益が多い商売ほど魅力があるようにみえるが、業種業態によってモデルとすべき粗利益率は異なる。
一般的には、小売よりも飲食ビジネスの方が粗利益率は高いといわれている。
アントレプレナー(あんとれぷれなー)
自ら事業を興す(起業)者をいう。通常、ベンチャー企業を開業する者を指す場合が多い。
フランス語 “entrepreneur”(アントルプルヌール)の英語読みより。女性の場合はentrepreneuse(アントレプルヌース)。
一等立地(いっとうりっち)
一般的には、通行量・交通量が多く、繁華街や主要道路に面した場所のことをいう。そのため、地価(賃料)は他の場所と比較して高いことが多い。
そのビジネスが一等立地でなければ成り立たないビジネスであるか否かは、その事業のもっている認知度や集客力、プロモーション、リピート率などが大きく左右する。
賃料が低い二等立地にあえて出店する戦略をもったビジネスも存在する。
売上保証(うりあげほしょう)
本部が提示する売上予測に対して、実際開業した事業の売上を保証する制度。
売上保証の対価としては、フランチャイズ加盟金の返還や売上差異の補填、店舗の買取りなど本部によって様々。
売上保証される場合の条件や内容についてはきちんと確認する必要がある。
運転資金(うんてんしきん)
商品の仕入れや従業員への給与支払いなど、日々の事業運営を行うために必要な資金のこと。
食材や物品の仕入れ時の支払いと、販売による売上金の回収の時期にズレがある場合、その間の事業運営を行うための手元資金として、運転資金が必要となる。
フランチャイズ事業においても、初期投資費用に加え、不測の事態に備えた運転資金の確保も忘れてはいけない。
ABC分析(えーびーしーぶんせき)
重点分析とも呼ばれ、在庫管理などで原材料、製品等の管理に使われる手法。
特にフランチャイズなどの店舗運営においては、販売商品の分析に活用する。
売れ筋商品の一層の拡販、衰退商品の見切りと不良在庫化の防止が目的。
FLコスト(えふえるこすと)
食材(food)コストと人件(labor)費の合計。飲食業における基本かつ重要な指標。
一般的に、標準的なFLコストの売上に占める比率(FL比率)は、55%~60%といわれている。
食材コストは、廃棄などのロスの削減や適正な量(ポーション)での提供によりコントロールする。
人件費は、時間帯やお客様の入店状況に応じた適正なシフト組みによりコントロールする。
加えて食材コストは、フランチャイズ本部からの仕入の場合、本部の食材調達力や業者との交渉力によっても異なる。
また、フランチャイズの場合は、店舗が増えればスケールメリットにより、食材仕入コストが下がる可能性があることはフランチャイズ加盟のメリットである。
FC(えふしー)
Franchise Chain (フランチャイズ・チェーン)の略。日本国外では使われない。
サッカーのチームを表すFCは、フットボールクラブ(football club)の略。
また、ファンクラブ (fan club)もFCと略す場合がある。
エリアフランチャイザー(えりあふらんちゃいざー)
フランチャイズ本部が、ある一定の地域についてフランチャイズ契約を結ぶための交渉権利を与えた企業をエリアフランチャイザー(エリアザー)と呼ぶ。
エリアザーは一定の地域におけるフランチャイズ本部の役割を果たし、加盟店の店舗開発や教育、スーパーバイジング活動などを行う。
エリアザーはその対価として、本部から加盟金や、その一定地域の加盟店から得たロイヤリティの一部を得る。
本部がこの仕組みを導入するメリットとしては、
1.その地域のことを把握している地元の企業がエリアザーになることで、店舗開発や商品開発など、そのエリアに即した事業展開ができる。
2.本部の手の届きにくいエリアにおいて、スピーディに出店が可能である。
3.加盟店の対応をエリアザーを介してスピーディに実行できる。 等があげられる。
一方、本部としてのデメリットとしては、
1.加盟金収入やロイヤリティ収入の減少
2.その地域においては、エリアザーの店舗開発や運営指導に依存するため、エリアザーの慎重な選定が必要であること。等があげられる。
OJT(おーじぇーてぃー)
On-the-Job Trainingの略。
企業内で行われる教育・研修手法のひとつ。
上司が部下や新入社員に対し、具体的な仕事を通じて仕事に必要な知識・技術などを指導し、修得させることによって育成する活動。
これに対し、職場を離れての訓練はOff-JT(Off the Job Training)と呼ばれる。
フランチャイズにおいては、本部の開業研修などでOJTを行うケースが多い。
具体的な仕事=店舗内での実務研修や営業活動により、現場業務の理解向上と、技術の習得、スタッフへのマネジメント力向上などを目的に実施する。
オーナー会(おーなーかい)
フランチャイズ加盟店の集まり。
加盟店同士の声がけにより作られるケースと、本部主導で作られるケースがある。
オーナー会設置の目的は、加盟店間での運営情報の共有や親睦、本部との意見交換を本来の目的とするが、中には本部に不満をもった加盟店同士が連帯して本部に圧力をかけるケースもある。
チェーン規模が拡大すると、年一回程度、本部主催のオーナー会を全国の加盟店を集めて開催している本部も多い。
オープンアカウント(おーぷんあかうんと)
フランチャイズ本部が指定した銀行口座に加盟店が日々の売上金を入金し、本部と加盟店の債権債務を相互相殺し、残余を加盟店に戻す会計処理の仕組み。
加盟店は売上を本部へ日々送金し、本部は加盟店の仕入れ代金などを相殺、さらに一定率のロイヤリティを徴収する。残った金銭は加盟店へ戻し、加盟店は返金額から人件費、経費などを支払い、残余が収入となる。
本部がこのオープンアカウントの仕組みを導入しているのは次のような理由。
1.加盟店の売上高を把握し、不正・流用を防ぐ。
2.ロイヤリティの計算を容易ならしめ、ロイヤリティの徴収を確実なものとする。
3.加盟店がフランチャイズ本部や指定業者などから購入する物品の支払い債務の回収を確実にする。
4.フランチャイズ本部と加盟店の双方で経費の負担を行う場合の割り振り計算を容易ならしめる。
5.この制度から入る数値をベースに加盟店の会計帳票を作成することにより加盟店の経営内容を確実に把握する。
全てのフランチャイズ本部が採用している仕組みではなく、一部の本部で導入をしている。
か行
開業研修(かいぎょうけんしゅう)
フランチャイズ事業を開業するにあたり、フランチャイズ本部から提供される研修で、一般的には店長(候補)や社員向けに行われる。
本部の所在地や、本部直営店にて行われることが多い。
本部にとっては重要なノウハウの一部であり、原則、加盟契約が締結されてから研修が実行される。
研修の内容は各本部が研修プログラムを策定しており、一般的には次のような内容が実施される。
1.事業概要やチェーン理念の説明
2.業界知識の習得
3.オペレーションや営業活動についての理解
4.数値管理やアルバイト教育手法の習得
5.現場(店舗や営業現場)でのOJT また、本部によっては研修を修了するための試験やテストを実施しているところもある。研修費用は加盟店負担であり、研修費として20万円~100万円程度を必要とするケースと、加盟金の中に含まれるケースがある。
解約違約金(かいやくいやくきん)
フランチャイズ契約の多くは、契約期間内に加盟店の側から中途解約を申し出た場合に、加盟店が中途解約違約金をフランチャイズ本部に支払うことを契約書上に定めているケースが多い。
これは、本部が見込んでいた契約期間中におけるロイヤリティ収入の対価や、中途解約によるブランド価値の損失の対価として定めている。
そのため、残契約期間とロイヤリティ額を掛け合わせた金額を基準に、違約金の金額を設定しているケースが多い。
一方で、本部の責任(加盟店の責任外)により経営不振で中途解約する場合には、解約違約金を徴収しないことを契約書に明記しているケースや、中途解約せざるを得ない事態に至った事実経過を双方が話し合い、本部の責任もあることが明白になった場合、解約違約金を徴収しないケースや減額するケースもある。
加盟金(かめいきん)
フランチャイズ加盟希望者がそのフランチャイズに加盟するために、加盟契約の締結時に本部に支払う金銭(対価)。
フランチャイズ加盟店になるには、本部と商標・サービスマークの使用、ノウハウの使用、フランチャイズパッケージの使用許諾等からなるフランチャイズ契約を締結する。
それらの使用に伴う対価が、加盟金である。
一般的には加盟金は、契約解約時には、加盟店に返還されないケースが多い。
加盟金額の設定は本部の主観によって行われるため、金額設定は本部によってまちまち。
チェーンとしての知名度やノウハウによる対価であるため、本部設立当初は加盟金を低く設定し、チェーン価値が高まってきた段階で加盟金を増額するケースもある。
加盟契約書(かめいけいやくしょ)
フランチャイズチェーンへの加盟にあたって、本部と加盟店との間で締結される契約書。
加盟契約書には、本部と加盟店の権利と義務が記載されている。 一般的には、次のような内容が記載されている。
・フランチャイズ付与の範囲
・店舗及び設備の規定
・メニューや仕入、発注の規定
・運営基準や加盟店向け研修、教育内容
・加盟金、保証金、ロイヤリティ
・宣伝広告規定
・情報システム、会計の規定
・商標及び営業機密
・責任と賠償について
・契約期間、更新、終了
・競業避止規定
・権利、店舗の譲渡規定
・雑則
加盟保証金(かめいほしょうきん)
フランチャイズの加盟契約の際に、フランチャイズ本部に預けるお金のこと。
加盟金とは異なり、加盟契約の期間が満了すると、債務がなければ全額される。債務がある場合は、その該当金額を差し引いた額が返金される。
全てのフランチャイズ本部において加盟保証金が発生するとは限らない。
一般的には、食材やロイヤリティなど毎月本部や本部指定業者に支払う物品の担保となるため、その支払額の1~3ヶ月分程度が妥当とされる。
競業禁止(きょうぎょうきんし)
競合避止ともいう。
一定の者が、その地位を私的に利用して、営業者の営業と競争的な性質の取引をしてはならない義務である。
法学上の用語であり、商法及び会社法と、労働法の双方で使用される。
フランチャイズの加盟契約においては、フランチャイズ契約期間、また契約終了後の一定期間において同種・同業の事業を営むことを禁止しているケースが多い。
これは、フランチャイズ契約中に得たノウハウの流出を防ぐ目的がある。
業態転換(ぎょうたいてんかん)
現在運営している事業を、店舗資産などはそのままに、業態を変更すること。
例えば、運営してきたラーメン店を改装するなどし、うどん店に変えるようなケースをいう。
業態転換を行うケースは主に2つのパターンがある。
一つは、運営している業態では収益があがらず、違う業態に変更するパターン。こケースは、業態そのものに問題があったり、立地がその業態に合わなかったりする場合が多い。
もう一方は、その業態で投資回収も完了し、新たなビジネスで再チャレンジするために業態を転換するパターンがある。
いずれにしても、既存の資産(物件、人材)はそのまま利用することが前提であるため、転換する業態選定(この場所、この人材にあう業態か)はじっくり検討する必要がある。
自社業態を、フランチャイズの業態に転換するケースも多い。
広告分担金(こうこくぶんたんきん)
フランチャイズ本部がチェーンとして行う宣伝や広告、広報に伴う費用を、一部加盟店から徴収する分担金のこと。
本部はこの費用を、チェーンとしての知名度をあげる宣伝や、統一のプロモーションを実施するにあたっての企画や広告にあてる。
通常は、売上高の数%か月額固定額で継続して徴収する。
本部によっては徴収しないところもある。
また、徴収した広告分担金をメニュー変更などに伴うメニュー表や販促物の対価とする本部もある。
フランチャイズ本部は徴収した広告分担金の使途を契約書に明記するか、定期的に報告することがトラブルを避けるためにも望ましい。
さ行
JFA(じぇいえふえー)
社団法人日本フランチャイズチェーン協会(Japan Franchise Association)の略。
フランチャイズ・システムの健全な発展を図ることを目的に設立された公益法人。
事業説明会(じぎょうせつめいかい)
フランチャイズ本部が開催する、事業検討者向けの説明会。
通常は、そのビジネスの事業概要やビジネスモデル、実績、加盟条件などの説明があり、説明会終了後にフランチャイズ本部の担当者との個別相談が行われる。
本部によっては、試食会や店舗視察会なども同時に行われることもある。無料で開催している本部が多いが、店舗視察に伴い食事代がかかるケースもある。
事業検討者は、積極的に説明会を活用し、本部の考え方や事業について理解を深めることが望ましい。
システム使用料(しすてむしようりょう)
フランチャイズ加盟店が利用するフランチャイズ本部のコンピューターシステムやプログラムの使用料のこと。
本部が構築したPOSシステムや管理システム・プログラムを利用するにあたっての対価となる。
そのため、システムを導入していない本部では発生しないことが一般的。
費用はそのシステムにもよるが、毎月数万円を本部に支払うケースが多い。
守秘義務(しゅひぎむ)
「業務上・職務上知りえた秘密を他に漏らしてはならない」という義務。
医師や弁護士、カウンセラーなど業務上個人の秘密を知りうる立場にある仕事には厳重にこの守秘義務が徹底される。
公務員や国家資格を合格してなる職業については法律で守秘義務が定められている。
企業に勤める社員に対しても就業規則などで守秘義務が徹底されている。
商標(しょうひょう)
商標とは、自社の商品・サービスを他社商品などと区別するために、その商品などに使用するマークをいう。
具体例として文字、図形、記号、立体的形状など色々なタイプの商標がある。
フランチャイズの運営においてはフランチャイザーが有する商標(サービスマークを含む)をフランチャイジーに使用許諾される。
初期投資(しょきとうし)
開業時に必要な総資金のことであり、物件取得費、内外装工事費、設備費、開.業時在庫、開店費用、フランチャイザーに対する契約金や保証金の合計額を示す。
理想的には、6ケ月程度の運転資金を含めることが望ましい。
この数値を基に、資金面でみて加盟・出店の可否判断を行い、金融機関に対する融資交渉をすることになる。
スーパーバイジング(すーぱーばいじんぐ)
フランチャイズ加盟店が、フランチャイズ本部の方針やマニュアル などに従って実際に実行しているかを確認し、指導すること。
スーパーバイジングを行うにあたり、フランチャイズ本部には次の点が 求められる。
1.フランチャイズ本部の運営方針やコンセプトが明確に確立していること。
2.フランチャイズ加盟店の各店舗を同一イメージで効率よく運営するノウハウ と技術が確立していること。
3.指導する上での基準が明確に確立していること。
損益計算書(そんえきけいさんしょ)
財務諸表の1つである。
ある一定の会計期間(1か月、1年等)における、 企業の本業としての売上高の合計額から、経費や費用を差引いた最終的な利益(当期純利益)を計算表示する報告書である。
借対照表などと同時に作成され、その企業の株主や債権者などに経営成績に関する情報を提供する。
損益分岐点(そんえきぶんきてん)
管理会計上の概念の一つで、売上高と経費が等しくなり、利益・損益ともにゼロの地点での売上高のこと。
主として、製造業や小売業など、変動費と固定費が区分可能な業態において用いられる分析で、 事業や商品ごとに、固定費をまかなうために必要な売上高を損益分岐点と言う。
た行
代理店(だいりてん)
特定のメーカーや流通業者のために取引の代行や仲介をすることで手数料を受け取る業者のこと。
系列店や特約店とも呼ばれる。
代理店の場合には商品の管理や、どのように売るのかなどは個々の代理店がそれぞれ決定する。
多店舗展開(たてんぽてんかい)
フランチャイジーが一店舗の運営だけでなく、複数の店舗を展開し運営していくこと。
多店舗展開をするうえでは、資金、立地、人材などの現在の経営資源をどのように拡大・変化させていくのか、 具体的な計画を作成し、項目ごとに綿密に対応していく必要がある。
チェーンストア(ちぇーんすとあ)
大資本を元手にブランド、経営方針、サービスの内容、外観などに統一性が持たせ、多数の店舗の運営や管理を行う経営形態のこと。
小規模の出資者を募って店舗を設置する経営形態であるフランチャイズとは区別される。
経営学的には単一資本が自ら設置した直営店11店舗以上を直営している小売・飲食業のことを指す。
中小小売商業振興法(ちゅうしょうこうりしょうぎょうしんこうほう)
商店街の整備・店舗の集団化・共同店舗等の整備等を通じて、 中小小売商業者の経営を近代化することで、 中小小売商業の振興を図り、それにより、多. 様化する国民(消費者)のニーズに応えることを目的とした法律である。
フランチャイズ・ビジネスだけを規律することを目的としたものではないが、中小小売商業の経営近代化を図る有効な手段として、連鎖化事業(いわゆるチェーン事業)を位置づけている。
この連鎖化事業の中にはフランチャイズ・システムも含まれ、フランチャイズ・システムを特に「特定連鎖化事業」(同法11条)として、その運営の適正化を図っている。
具体的には、特定連鎖化事業を行うものは、その加盟希望者に対して同法が定める重要事項について情報を開示し、説明することを義務づけている。
昭和48年9月に施行され、以後何度か改定された。
中途解約(ちゅうとかいやく)
フランチャイズ契約期間中に解約することを示す。
中途解約(店舗閉鎖)が起こる原因は多種多様にわたり、 契約違反をしたり、債務不履行や不法行為などをした場合に解約に至ることだけを指す場合もあれば、契約期間中の解約であればその理由を問わず中途解約といわれる場合もある。
フランチャイズ契約を中途解約する条件もフランチャイズ本部によって異なるが、 ロイヤリティーの何カ月分という計算方法が多い。
解約後に同形態の事業を独自に始めるとなると、裁判も含め、大きな問題が発生する場合があるので、注意が必要。
テリトリー制(てりとりーせい)
1地区1販売会社制を指し、メーカーの代理店政策の一形態のことをいう。
フランチャイズ本部は加盟店同士の競合を避け、加盟店の安定的な事業を保証する意味でエリアや駅を基準とした商圏を設定し、そのエリア内に複数の店舗や直営店を出店しないことを加盟店に保証する。
一定地域ごとに独占的販売権を持たせた加盟店・代理店を設置することで、流通・物流コストを削減し、地域の動向に合わせた販売を行う。
地域密着型のきめ細かい営業活動が可能となる。
他業種では自動車メーカー、不動産業界などでも積極的に導入されている。
登記簿(とうきぼ)
権利の取得、喪失及び変更などの関係事実の状況を示し、その登記事項を記載するための公の帳簿のこと。
不動産登記簿、船舶登記簿、商業登記簿がある。
不動産登記簿には土地登記簿と建物登記簿の2種類があり、土地は一筆ごとに、建物は一棟ごとにそれぞれ記載されている。
登記簿謄本は登記簿のコピー。
登記簿は取引などを行う際に相手方の信頼を得るための1つの材料として非常に重宝されている。
投資回収率(とうしかいしゅうりつ)
投下した資本がどれだけの利益を生んでいるのかを測る際に使われる基本的な指標でROI (return on investment)ともいう。
企業の収益力や事業における投下資本の運用効率を示す。
投資回収率が大きいほど収益性に優れた投資案件ということになる。
基本的な式は次のとおり
投資回収率=利益/投資額×100
な行
ナショナルチェーン(なしょなるちぇーん)
全国に渡って複数の店舗を展開しているチェーンのであり、全国チェーンとも呼ぶ。
ただし、本来は店舗をドミナント化展開した地域を複数持ったチェーンのことを示す。
チェーンストアー理論に基づき、店舗を戦略的に開発し、ドミナント化出店することで達成される。
ただし、東京、名古屋、大阪に単独店舗を持っていてもナショナル・チェーンとは呼ばない。
日経MJ(にっけいえむじぇい)
日本経済新聞社が発行している、消費と流通、マーケティング情報に特化した専門紙である。
流通業界の主要ニュースでなく、特集記事。新たな取り組み・トレンドを紹介し、その取り組み事例やメリット・デメリットなどを取り上げる。
月・水・金曜日発行(朝刊のみ)
1971年5月・・・「日経流通新聞」として創刊。
2001年4月・・・「日経MJ」に名称を変更
2004年10月・・・月・水・金曜日発行(朝刊のみ)に変更
二等立地(にとうりっち)
二等立地は、繁華街や主要道路よりも一本裏に入った道路に面した場所のことをいう。
一等立地と比較すると通行量・交通量が少ないというマイナス点はあるが、一方で賃料や保証金を低く抑えられるというメリットもある。
そのため、あえて二等立地に出店する戦略で事業展開している本部も存在する。
特に、二等立地でも集客ができる目的性の高い業態や、リピート率の高い業態、プロモーション力のある業態などが、このような二等立地戦略をとる傾向にある。
日本フランチャイズチェーン協会(にほんふらんちゃいずちぇーんきょうかい)
社団法人日本フランチャイズチェーン協会は、フランチャイズ・システムの健全な発展を図ることを目的に設立された公益法人である。
主な活動内容は、フランチャイズ・システムに関する教育研修、調査研究、規範制定、広報相談など。
会員は、フランチャイズビジネスを運営する日本の代表的なフランチャイザー、及びフランチャイズビジネスに関心を持ち、 本協会の趣旨に賛同していただいている企業によって構成されている。
会員資格には以下が存在する。
正 会 員: 日本国内において2年以上の実績を有するフランチャイジーを原則として10以上有する者で、当該フランチャイズ・システムに関する契約の解除又は実行不能の件数が、過去2年間に、その年に存在する契約数の20%を超えない者であること。
準 会 員:JFAの倫理綱領に賛同する1年以上の実績を有するフランチャイザーであって、正会員以外のフランチャイザーであるもの。
研究会員:フランチャイズ・システムに関心を有するものであって、本会の研究活動に参加するもの。
賛助会員:本会の目的に賛同し、事業に協力しようとするもの。
ノウハウ(のうはう)
know-how。
ある専門的な技術やその蓄積のことであり、製品開発・製造などに必要な技術や知識などの情報、技術情報。
フランチャイズによる開業ではフランチャイザーからフランチャイジーへ経営や運営に係るノウハウが提供される。
のれんわけ制度(のれんわけせいど)
商標、経営のノウハウ等を共有しながら円満な形で独立する制度。
古くは、奉公人や家人に同じ屋号の店を出させる(出すことを許可する)ことを言う。
現在では、労務政策の一環として用いられ、独立社員制度と呼ばれることが多く、独立する際の条件や処遇は企業によってさまざまである。
フランチャイズ本部企業の場合には、独立しようとする社員に有利な条件でフランチャイズ契約を結び、援助・独立させるケースが多い。
一般的なフランチャイズシステムとは違い、オーナー様主導でお店づくりを進めることができ、加盟店でありながら独立店的な存在として大きな利益を産み出すことも可能なシステム。
は行
フランチャイザー(ふらんちゃいざー)
フランチャイズの本部のこと。
自己の商標、サービスマーク、トレード・ネームその他の営業の象徴となる商標、 及び経営のノウハウなど(フランチャイズパッケージ)を提供および使用を許可する事業者を示す。
フランチャイジー(ふらんちゃいじー)
フランチャイズの加盟店のこと。
フランチャイザー(本部)の商標、サービスマーク、トレード・ネームその他の営業の象徴となる商標、及び経営のノウハウなど(フランチャイズパッケージ)を提供され、使用を認められた事業者を示す。
個人で加盟する場合も法人で加盟する場合もある。
フランチャイズ(ふらんちゃいず)
一方(フランチャイザー、本部)が自己の商標、サービスマーク、トレード・ネームその他の営業の象徴となる商標、 及び経営のノウハウなど(フランチャイズパッケージ)を提供し、これにより自身と同一イメージもしくはブランドで営業を行わせ、 他方(フランチャイジー、加盟者・加盟店)が、これに対して一定の対価(ロイヤルティー)を支払う約束によって成り立つ事業契約のこと。
外部資本の利用で、短期間に多くのチェーンストア店舗の展開を進める目的で行われるため、フランチャイズチェーンと呼ばれることが多い。
法的には中小小売商業振興法などにより規制される。
適用される業態としてはコンビニエンスストアなどの小売業のほか、ラーメンや弁当、ファストフードなどの外食産業、不動産販売、自動車の整備、 近年では小型のフィットネスクラブ、学習塾、CDレンタルなどのサービス業に至るまで、多岐にわたっている。
日本国内ではFC(Franchise Chain)と略されることが多いが海外では使われていない。
フランチャイズ経営士(ふらんちゃいずけいえいし)
社団法人日本フランチャイズチェーン協会(JFA)が認定する経営幹部をめざすフランチャイズ本部社員を対象とした資格のこと。
試験合格者は、フランチャイズ・システムについての高度な知識を身につけていると認められ、協会が認定するフランチャイズ経営士の資格が付与される。
フランチャイズ経営士のカリキュラムは、アカウンティング&ファイナンスのほかに、 法律、マーケティングなどフランチャイズ経営に関する知識を幅広く習得するもので、これからフランチャイズ本部を立ち上げようとする方が多く受講される。
フランチャイズ契約(ふらんちゃいずけいやく)
フランチャイズ事業を展開するフランチャイズ本部と加盟店の間で締結される契約のこと。契約の際には、本部が作成している加盟契約書に両社捺印の上で締結される。
フランチャイズ契約は、フランチャイズ本部が展開しているフランチャイズパッケージの使用許諾、またそれに伴う対価と義務が記されている。
契約の際には、顧問弁護士にも内容をチェックしてもらうなど、内容を全てきちんと理解した上で締結することをお勧めする。
フランチャイズショー(ふらんちゃいずしょー)
日本経済新聞社主催、日本フランチャイズチェーン協会特別協賛で実施される展示会であり、 フランチャイズ本部による加盟店募集をはじめ、本部向けの製品・設備・システムなどを紹介する日本最大の展示会である。
東京都江東区有明の東京国際展示場「東京ビッグサイト」で毎年3月に実施される。
ベンチャーキャピタル(べんちゃーきゃぴたる)
ベンチャー-ビジネスは技術力は高いものの資本が不足することが多いため、これに株式所有などによって資金を供給すること。
投資リスクは高いが成功すれば多額の株式売買利益が得られる。VCとも略す。
法定開示書(ほうていかいじしょ)
中小小売商業振興法の定めにより、フランチャイズ本部は加盟希望者に対し、フランチャイズ加盟契約を結ぶ際に法定開示書を交付して説明することが義務づけられている。 法定開示書には、次のような内容が記載されており、本部の実態を知ることができる。
・本部事業者の名称・住所・従業員数・役員の役職名及び氏名
・本部事業者の資本金・主要株主・他の事業の種類
・子会社の名称及び事業の種類
・本部事業者の直近3事業年度の賃借対照表及び損益計算書
・フランチャイズ事業の開始時期
・直近の3事業年度における加盟者の店舗の数の推移
・直近の5事業年度において、フランチャイズ契約に関する訴訟の件数
・営業時間・営業日及び休業日
・本部事業者が加盟者の店舗の周辺の地域に同一又は類似の店舗を営業又は他人に営業させる旨の規定の有無及びその内容
・契約終了後、他のフランチャイズ事業への加盟禁止、類似事業への就業制限その他加盟者が営業禁止又は制限される規定の有無及びその内容
・契約期間中・契約終了後、当該フランチャイズ業について知り得た情報の開示を禁止又は制限する規定の有無及びその内容
・加盟者から定期的に徴収する金銭に関する事項
・加盟者から定期的に売上金の全部又は一部を送金させる場合はその時期及び方法
・加盟者に対する金銭の貸付け又は貸付の斡旋を行う場合は、それに係る利率又は算定方法及びその他の条件
・加盟者との一定期間の取引より生ずる債権債務の相殺によって発生する残額の全部又は一部に対して利率を附する場合は、利息に係る利率又は算定方法その他条件
・加盟者に対する特別義務
・契約に違反した場合に生じる金銭の支払いその他義務の内容
・加盟に際し徴収する金銭に関する事項
・加盟者に対する商品の販売条件に関する事項
・経営指導に関する事項
・使用される商標、商号その他の表示
・契約の期間並びに契約の更新及び解除に関する事項
POS(ぽす)
Point Of Saleの略。
販売時に販売活動に関する情報処理を行うこと。
各店舗にあるPOS端末とホストコンピューターを結合して、売上管理・在庫管理などを自動的に行うことができる。
ボランタリーチェーン(ぼらんたりーちぇーん)
店舗が自主的(ボランタリー)に本部をつくり横断的に、仕入れ、販売促進、商品開発、教育等の事業を共同で行うことで規模の利益と分業の効率性を追及するチェーン組織のこと。
ま行
マニュアル(まにゅある)
フランチャイズ本部のノウハウ、パッケージ、独自の技術等の実施には欠かせないもので、 図形、絵、写真等を併用することにより、より確実に分かり易く、誰が作業を行っても効率的に同じ結果が得られるようになっている。
その種類も作業や提供するサービスごとに分かれており、販売、製造、接客・サービス、クリンリネス、機器の取り扱い、経営管理等細分化されている。
加盟店にはフランチャイズ契約を締結した後の開業前トレーニングの場で説明して渡されることが多い。通常は貸与の形を取り、契約解約時には返却する義務がある。
マルチフランチャイジー(まるちふらんちゃいじー)
複数のフランチャイズチェーンに加盟しているフランチャイジーのこと。
無店舗ビジネス(むてんぽびじねす)
無店舗ビジネスとは、店舗を持たずに事業を行うスタイルで、自宅でのネットビジネスや営業代理店、車のみでビジネスを行うケースなどがある。
お客の来店を必要としないビジネスで、自身の営業力やインターネット環境を効率的に活用したスタイル。
無店舗ビジネスのメリットは、何といっても店舗を保有するビジネスと比較して低投資で開業ができること。
また店舗ビジネスで必要な家賃や水道光熱費といったランニングコストも削減したビジネスが展開できる。
一方で、店舗を持たない分、お客の信用を得ること、自社の収益に結びつく営業力や販売力、プロモーション力が必要となる。フランチャイズの場合、フランチャイズ本部がそのようなサポートやノウハウの提供を行うケースは多いが、本部のサポートに頼らない独立した運営を行う覚悟が必要ともいえる。
メガフランチャイジー(めがふらんちゃいじー)
規模の定義はないが、店舗数が二桁単位で年商が億単位の規模になっているフランチャイジーのこと。
同じチェーン店を複数店舗経営しているか、異業種のチェーンに複数加盟しているか、その両方か、様々なケースがある。
本業を持っている傍らで、多角化の一環としてフランチャイズ店舗の経営に乗り出している企業が多い。
結果的に規模が大きくなるので、法人経営となり、上場企業も出現している。
モデル収支(もでるしゅうし)
フランチャイズ加盟をし開業した際の目安となるPL(損益計算書)のこと。
あくまでモデルであり、フランチャイズ本部が保証するものではない。
や行
融資(ゆうし)
銀行などの金融機関が、利息(金利)を得る目的で、会社や個人などの資金需要者に金銭を貸し出すこと。
ローン、借金(しゃっきん)ともいう。個人向けの小額のサービスはキャッシングともいう。
銀行融資以外には、公的機関である日本政策金融公庫などがある。
フランチャイズで新規事業や起業する場合、それに対応した融資制度もあるため確認をお勧めする。
融資を受ける際には、様々な資料を準備する必要がある。
フランチャイズ事業の概要や事業計画、また出店場所の資料などが必要になるため、フランチャイズ本部に相談して一部資料を提供してもらうことも可能である。
ら行
ライセンス(らいせんす)
店名やロゴなどの商標、店舗デザイン、メニューなどの提供を、本部が加盟店に対して使用許諾(ライセンス)契約を結ぶビジネス。
フランチャイズの場合は、継続的な運営サポートまで含まれ、その対価としてロイヤリティの支払が発生するが、ライセンスの場合は、継続的なサポートはなく、 その代わりロイヤリティの支払も発生しない。サポートをオプションとして提供している本部もある。
本部の保有する商標やロゴなどにインパクトがある場合には特に有効なビジネス方式である。
また、本部の継続したサポートは基本的にはないため、加盟店に自社で独立した強い運営力がある場合には、効果的な活用が期待できる。
臨店(りんてん)
フランチャイズ本部が加盟店舗を訪問すること。
運営指導の為の現場研修やスーパーバイザーが巡回する場合などに用いる。
ロイヤリティ(ろいやりてぃ)
特定の権利を利用する利用者が、権利を持つ者に支払う対価のことで、 主に特許権、商標権、マニュアル、運営指導などの対価をいうが、フランチャイズ本部によって内容は異なる。
わ行
ワーカー(わーかー)
実作業、オペレーティングを担当する従業員を指すことが多い。一般的にはマネージャーの対義語として理解される。
独立開業における経営者(オーナー)はワーカーからの脱却が課題となり、新たなワーカーの育成、ワーカーからマネージャーへの育成など人事・労務面でのスキルを得ていく必要がある。